中国輸入ビジネスを始めたばかりの方にとって、FBA(Fulfillment by Amazon)を利用した商品配送は非常に便利なサービスです。しかし、Amazonの倉庫に商品を送る前に、FBAラベルの貼り付け作業が商品1個ずつに必要になります。このラベル貼り作業をどうするかで、ビジネスの効率やコストが大きく変わります。
また、ラベル貼り付け作業を行わずにFBA納品を行う方法も存在します。
この記事では、初心者の方に向けて、中国輸入ビジネスでのFBAラベル貼り付け作業を「自分でやる場合」と「代行業者に依頼する場合」、「そもそもラベル貼り付けをしない場合」の違いについて詳しく解説します。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った方法を選択するための参考にしてください。
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1. FBAラベルとは?
まず、FBAラベルとは何かを確認しておきましょう。
FBAラベルは、Amazonの倉庫で商品を識別するためのバーコードラベルです。商品がAmazonの倉庫に到着した際、このラベルを元に商品が管理されます。ラベルには、FNSKU(Fulfillment Network Stock Keeping Unit)というAmazon独自の識別コードが含まれており、各商品の在庫管理や注文処理に必要です。
簡単に説明すると、あなたの商品を倉庫側で認識するための専用バーコードという認識です!
FBAラベルの基本的な要件
- ラベルは正確に印刷し、商品やパッケージに貼り付ける必要があります。
- ラベルが読めなかったり、適切に貼られていなかったりすると、商品がAmazon倉庫で処理できない可能性があります。
違う商品のラベルを貼り間違えてしまったりするとお客様からクレームに繋がりますし、全部返品して確認したりしないといけないので本当に気をつけてください…
2. 自分でFBAラベルを貼り付ける場合
中国輸入ビジネスに取り組まれている方は代行業者を利用することが多いかと思います。基本的にどこの代行業者でもFBA用の商品ラベルを貼り付けてくれるオプションが存在していて、その費用は0.5~1元(代行業者とプランにもよる)です。
一人など小規模でビジネスに取り組まれている場合は一度自宅へ輸送して自分で商品ラベルを貼り付ける作業をしているという方もいるはずですので、メリットデメリットについてまとめていきます。
メリット
- コスト削減
自分でラベルを貼ることで、代行業者に支払うラベル貼りの手数料を節約できます。特に、ビジネスを始めたばかりで資金が限られている場合、自分で作業することでコストを抑えることが可能です。 - 品質管理
自分でラベルを貼ることで、商品の最終チェックを行うことができ、商品に不具合や傷がないかを直接確認できます。これにより、クレームや返品リスクを減らすことができます。中国の代行業者側で詳細検品を入れていたとしても、日本への輸送時に破損してしまうケースだったり代行業者側の検品ですり抜けてしまった不良品をここで防ぐことが可能になります。
デメリット
- 作業時間の負担
商品が多くなると、ラベル貼り作業はかなりの時間を消費します。数百個以上の商品を手作業でラベル付けするのは、非常に手間がかかる作業です。自分の時間給をアルバイトの最低賃金くらいで見積もったとしても代行業者に依頼する方が割安になる可能性が高いです。 - ミスのリスク
ラベルを誤って貼り付けたり、貼り忘れたりすることがあると、商品がAmazon倉庫で受け付けられず、余計な手間とコストがかかる可能性があります。検品作業などに慣れている代行業者の方がこの辺は正確にやってくれる確率が高いとも言えます。 - 輸送費用の増加
中国でラベルを貼ってFBAへ直送する場合は、その時に発生した国際送料のみで済みますが、一度中国から自分の手元に輸送して、そこから再度FBAに納品する場合はその分輸送コストが上乗せされます。結果的にラベル貼り付けのオプションを依頼するよりも送料の方が割高になってしまう可能性を考慮すべきです。
3. 代行業者にFBAラベル貼りを依頼する場合
メリット
- 作業の効率化
代行業者に依頼することで、ラベル貼り作業を一括して任せることができ、他のビジネス活動に集中できます。特に、商品数が多い場合や短期間での処理が必要な場合に非常に効率的です。 - 経験豊富なスタッフが対応
代行業者は、AmazonのFBAラベルに関する知識や経験が豊富です。ラベルの貼り忘れや間違いが発生するリスクを軽減でき、安心して任せることができます。 - 物流コスト削減の可能性
代行業者からFBAへ直接納品を行うことが可能です。自分の住所へ一度送ってもらってラベル貼りを行った上でFBAへ納品を行う場合はその際の送料が追加で必要ですので、直接納品すればその分の輸送コストが削減できます。
デメリット
- コストがかかる
代行業者に依頼する場合、ラベル貼りの手数料が発生します。手数料は業者によって異なりますが、1商品あたり0.5~1元程度が一般的です。単純なコストの面では自分で作業するよりも高くつく可能性があります。 - 品質管理が難しい
自分でラベルを貼る場合と比べ、代行業者に任せると商品の最終確認ができないため、細かい不具合や傷に気づけない場合があります。このため、信頼できる代行業者を選ぶことが非常に重要です。
4. 代行業者に依頼する場合と自分でやる場合の選び方
代行業者に依頼するのが向いている人
- 商品数が多く、自分でラベルを貼る時間がない。
- Amazonのラベル貼りに関する作業を効率化したい。
- 初めてFBAラベルを扱うため、ミスが不安。
自分でラベルを貼るのが向いている人
- コストを最小限に抑えたい初心者や、小規模でビジネスを始めたばかりの方。
- 商品数が少なく、作業を自分で行うことが可能。
- 商品の品質管理を徹底したい。
個人的な意見を述べると、ガチの初心者だけが自分でラベルを貼るのが良いと考えていて、基本的には代行に依頼し、不良品発生率を下げるためにも検品指示をしっかり行うようにするべきと判断しています!
5.FBAラベルの貼り付けが不要?混合在庫を利用した納品について
FBAラベルの貼り付けは基本的に必要ですが、混合在庫を利用することで、ラベル貼り付け作業を省略できるケースがあります。
混合在庫(Stickerless Commingled Inventory)とは、Amazonが販売者ごとの商品を区別せず、同じ商品を一括して管理する仕組みのことです。この方法を利用することで、FBAラベルの貼り付けが不要となり、商品をそのままAmazonの倉庫に納品することが可能です。
要するに、同じ商品であれば他のセラーさんと一緒に商品を管理するというシステムが混合在庫です。自分のアカウントで注文が入ったとしても自分の管理画面上は在庫がその分減りますが、実際に発送されているのは他の第三者が納品した商品である可能性があるということです。
混合在庫のメリット
- ラベル貼り付け作業が不要 混合在庫では、商品にFBAラベルを貼る必要がありません。商品にJANコード(またはUPCコード)が印刷されていれば、それを元にAmazon側で在庫を管理するため、ラベル貼り付けの手間を大幅に削減できます。
- 納品が簡単 ラベルを貼る工程がなくなるため、納品作業がシンプルになります。特に、商品数が多い場合には、大幅な時間と労力の節約につながります。
- コスト削減 ラベル貼りのための印刷や人件費が不要になるため、コストを抑えることができます。代行業者にラベル貼りを依頼する手数料も省けるため、コスト面で大きなメリットがあります。
混合在庫のデメリット
- 品質管理の難しさ 混合在庫では、同じ商品を他の販売者と共有するため、商品の品質管理が難しくなります。特に他の販売者が取り扱っている商品に不具合がある場合、その商品が自分の商品と混在し、顧客に届けられる可能性があります。これが原因で、自分が販売した商品でないにもかかわらず、返品やクレームを受けるリスクが高まります。
- ブランド保護の難しさ 自社ブランド商品や差別化された商品を取り扱っている場合、混合在庫を利用すると他の販売者と区別がつかなくなり、ブランド保護が難しくなります。特にブランドイメージを大切にしたい場合や、模倣品の混入リスクが高い場合には、混合在庫の利用は避けたほうが良いかもしれません。
- 出品規制や制限商品 混合在庫では、出品者が取り扱う商品が他の販売者と共有されるため、規制や制限商品に関しても注意が必要です。特に正規品を取り扱っている場合でも、他の販売者が偽造品を扱っていると問題が生じるリスクがあり、厳しい取り締まりがある商品カテゴリーでは特に注意が必要です。
混合在庫の利用が向いているケース
- 汎用品を扱っている場合:同一のJANコードが付与されている商品で、品質に大きな差がない場合は、混合在庫を利用することで効率的に在庫管理を行えます。
- ラベル貼りの手間を省きたい場合:商品数が多い、またはラベル貼りにかけるコストや時間を抑えたい場合に有効です。
- 自社ブランド商品の販売でJAN印字をする場合:パッケージを作る場合はJANを印字して混合在庫として納品を推奨します。
混合在庫を利用するかどうかの判断
混合在庫を利用するかどうかは、取り扱っている商品やブランド保護の重要性によって判断する必要があります。自社ブランド商品や品質管理が重要な商品を扱っている場合は、個別にラベルを貼り付ける方が安全ですが、汎用品や低価格商品を扱っている場合は、混合在庫の利用が効率的です。
ただし、現時点で中国輸入商品をAmazonで販売するという場合かつ、JANを印字した商品を販売する場合は混合在庫を利用してラベル貼りの手間を削減する方向性がベストです。
まとめ
FBAラベルの貼り付け作業は、中国輸入ビジネスにおいて重要なステップです。自分で作業を行う場合はコストを抑えられますが、時間や手間がかかる一方で、代行業者に依頼することで効率化やミスの防止が期待できます。どちらの方法が最適かは、ビジネスの規模や時間的なリソースに応じて判断しましょう。
筆者個人的な結論としては以下のとおりです。
混合在庫を利用すべきパターン
- Amazonブランド登録をしている
- パッケージにJANを印字している
- 1パッケージで複数のバリエーション用にしていない
- そのJANでの卸売を他者にしていない
上記の場合は問答無用で混合在庫を利用してFBAラベルの貼り付けを行わずに、メーカーバーコードでの納品を行いましょう。コスト面や作業時間考慮すると圧倒的にメリットがあります。
「混合在庫による他社との在庫共有デメリットはないの?」って話に関しては上記条件をクリアしている場合は全く問題ありません。なぜならAmazon上でそのJANコードを使って販売できるのは自分のみです。他社と在庫が一元化される心配が一切ないため、混合在庫という仕組みを活用してはいるものの、実質的にはJANだけで納品を行う仕組みという形になります。
FBAラベル貼り付けを代行業者にやってもらうべきパターン
- 商品にJAN印字がない
- バリエーション全て一緒のパッケージを利用
上記の場合は代行業者側でラベル貼り付けをしてもらいましょう。パッケージをJAN(バリエーション)ごとに別々で制作していない場合はFBAラベルをバリエーションごとに貼り付ける必要があります。
FBAラベル貼り付けを自分で行うべきパターン
- 本当の中国輸入初心者
- 商品を自分で確認したい人
上記の場合は自分でラベル貼りを行うのも良いですが、初心者だとしても個人的にはオススメしません。筆者の自我丸出しですがハッキリ言って時間の無駄です。不良品も中国での検品時にしっかり弾くように指示すれば済む話ですし、よっぽど脆い商品で輸送中に破損するものでなければ、心配もあまりしなくて大丈夫です。
そもそも脆い商品を扱うこと自体がオススメできません…
結論、できる限り混合在庫を利用したメーカーバーコードでの納品を推奨しますが、それが難しいケースの場合はSKUラベルを代行に貼り付けてもらって対応しましょう。